VR世界のプラセボ「プロテウス効果」で痛みを緩和するVR空間でアバターを使用すると、そのアバターの見た目に影響されて自身の行動や感覚が変わることがあります。 この現象は「プロテウス効果」と呼ばれており、例えば、魅力的なアバターを使うと、ユーザーは異性に対して自己開示が増えたり、対人距離が短くなったりすることが報告されています。 また、筋肉質なアバターを使うと、物体の重さを実際より軽く感じることがわかっています。 近年、プロテウス効果を活用したVR技術が、麻酔や薬品を使わない痛みのコントロール手段として注目されています。 特にVRは高い没入感を提供し、痛みの感覚から注意をそらすのに非常に効果的です。 例えば、VR体験が現実感を高めるほど、温熱による痛みが大幅に軽減されることがわかっています。 さらに、緊急治療室でVR療法と鎮痛剤を併用すると、痛みが大幅に軽減されるという研究結果もあります。