前回から、変化しつつある日本語の新しい状況をいくつか取り上げている。第二回目は、「動詞文が名詞文に化ける」傾向だ。分かりやすく言いかえれば「~ます」とその様々な変化形で終わっていた動詞文が、たった一つの「名詞+です」に全て収斂してしまうことだ。聞いていて「あれ?」と思わされるこうした「疑似名詞文」が、特にニュースで多用されていることに気づいたのは最近のことである。先ずは実例をご覧いただこう。 (1)「長寿大国日本が抱える問題点を検証です」 「長寿大国日本が抱える問題点を検証します」のことだとは分かるが、思わず「え?」と言いたくなる。さらにいくつか、インターネットで聞いてメモしたニュースの引用を下に並べてみた。(2)から(7)までは、全て実際にアナウンサーやレポーターが口にしたものである。アナウンサーの場合は間違いなく原稿を読んでいるのだから、これらは正しい文として原稿が書かれ、校正さえパス