【ソウル澤田克己】韓国の客船セウォル号沈没事故で、運航会社である清海鎮(チョンヘジン)海運の実質的オーナー、兪炳彦(ユ・ビョンオン)氏(73)への責任追及が難航している。新興教団の指導者でもある兪氏は、検察の事情聴取に応じず、教団施設に身を潜めている模様。検察は16日に逮捕状を請求したが、多数の信者が守る教団施設に突入しての身柄確保は簡単ではなさそうだ。 韓国の報道によると、兪氏には、同社や系列会社から少なくとも1000億ウォン(約99億円)を不当に得た背任などの疑いが持たれている。捜査関係者は「兪氏と家族への資金提供のため安全への投資がおろそかになった」と事故との関連も指摘している。同社は、社員の安全教育に年間54万ウォン(約5万4000円)しか使っていなかった。 兪氏は、1962年に義父と教団を創設し、70年代から信者の献金と労働力を活用して船会社などを始めた。87年に教団関係者の