<運命の人(TBS系日曜よる9時)>大作が終わった。1年前、大震災と原発事故にうちのめされて以来、日本中がその問題に覆いつくされるなか、沖縄返還40周年にこういう直球勝負をする気概にはやはり敬意を表する。 返還に伴う日米政府の密約という実際の事件を扱っているので、主人公の新聞記者をはじめ、おおかたの登場人物にはモデルが存在する。当初、友人でライバル紙記者のモデルと見られるナベツネさん(読売新聞グループ本社会長・渡辺恒雄氏)が激怒したとかで話題になった。主人公の毎朝新聞記者・弓成(本木雅弘)が正義を貫く清廉な記者となっているのに対し、読日新聞記者・山部(大森南朋)がダーティな悪徳記者に描かれていたかららしい。 でも、山部は友情に厚く、証言台に立って表現の自由を主張するなど、回を重ねるにつれなかなかカッコよくなっていった。終わりまで見たら、ナベツネさんも怒りが収まったのでは? 本木雅弘「清廉記