それまで企業が運営する書店で働き活動していた花田さんが、独立し自分の書店を持つにいたった思い、そして「蟹ブックス」のこれからを聞いた。(2022年8月29日インタビュー) (取材・構成・撮影=すずきたけし) 蟹ブックス開店まで ――花田さんは書店員であり、エッセイや様々な媒体で書評やブックレビューなどで本を紹介しています。再び書店員として自分で本屋を始めることになりましたが、花田さんが「本を売る」ことにこだわる理由はなんでしょうか? 花田 20年以上書店員をやっていたので、本を売ってないほうが不自然になってしまうというか、良い本を見つけたらただ紹介するだけでは満たされなくて、「置いて、売りたい」というところまでやりたいのが自然な感じなんです。 本屋に毎日出勤して、入ってきた新刊を眺めたり、スタッフたちとあれこれ話したりが自分の生活に根付いているからだと思います。 ――前職のお店が閉店してか