近代短歌を代表するアララギ派歌人の斎藤茂吉(1882~1953年)の13歳のときの日記の一部が、山形県上山市の生家から見つかった。 尋常高等小学校の夏休みの時期のものとみられ、手伝いや勉強、絵の練習、魚取りなどに明け暮れる少年茂吉の健康的な暮らしが生き生きと伝わる。 見つかった資料は、「日記帳面」と毛筆で書かれた表紙と1895年8月10日から25日の行動を記述した5ページ。 <四時ニ起キ朝川ニ至リ身ヲアロウ後宿題……>などと毎日、2~4行ずつ記述されている。 茂吉の夏休みは朝4~5時頃に起き、午後9時には就寝。毎日のように掃除し、修身や地理、歴史の勉強の合間に魚取りや河原で遊ぶなど理想的な生活を送っていた。16日で9日間も「画(え)ヲ画(か)ク」などといった記述があり、後年に写実的な短歌を詠む素地が少年時の生活から育まれたと感じさせる。 横浜市の県立神奈川近代文学館で28日から始まる茂吉の