「炊(た)く」という言葉を聞いたとき、まず思い浮かぶのは、米を水と共に加熱して、食味を増す調理法である。あるいは、「煙を炊く」という言葉もある。これによって、発炎筒も「炊く」ものである ところが、この炊くという言葉には、現代では、色々と不思議な文脈で使われているのである。 例えば、「カメラのフラッシュを炊く」という言葉がある。意味は、カメラのフラッシュを光らせることである。なぜ炊くというのか。どうやらこれは、昔のカメラのフラッシュというのは、マグネシウムを燃やして、文字通り炊いていたらしいのである。フラッシュが電化された現代においても、この言葉は、慣習的に生き残った。 ところで、今流行の「自炊」という言葉がある。本来の意味は、自分で料理をすることである。しかし最近は、自分で本をスキャナにかけて電子化することをも指す。しかし、何故「自炊」というのか。 この言葉は、昔、WinMXやWinnyが