アニメーションカバンを新調した小話。長年愛用してきた通勤用のカバンに剥げが目立ちようになり、よくみるとくたびれていた。そろそろ買い替えの時期かと思い、カバンにターゲットを絞った人間観察ならぬカバン観察で流行の最前線を追った。少し注目してやれば、街は実に豊富な種類のカバンで溢れている。通勤のお供であるビジネスバッグひとつ取ってみても、学生カバン風の物あり、ブリーフケース型、トートバッグ型と様々だ。細身のストライプスーツをサラッと着こなし、クラシックな二本手のビジネスバッグを片手に颯爽と歩くサラリーマンの姿、パンパンに膨れ上がったショルダーバッグを肩にかけ、朝から疲れきったベテランサラリーマン。その横にはファンシーなアクセサリーを沢山つけたスクールバッグ膝に、目をつぶった女子高生。そうしたカバン達をみて、性格や立場を想像する“遊び”も一興というもので。宮部みゆき著『長い長い殺人』は財布視点で登