岸田文雄首相は9日、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との接点が指摘された盛山正仁文部科学相の進退について、野党の更迭要求を拒み、続投させる方針を示した。盛山氏は昨年10月に教団への解散命令請求を行った。政策がゆがめられたわけでもなく、盛山氏の更迭はむしろ教団を利する可能性があると考えているためだ。ただ、盛山氏の国会答弁はあいまいな点が目立っており、国民の不信を招けば更迭を余儀なくされる恐れもある。 「同じ派閥だったから守るなどということは全く考えていない」 首相は9日の衆院予算委員会で立憲民主党議員から、盛山氏が岸田派(宏池会)に所属していたから更迭しないのかと問われ、やや気色ばんで答えた。周囲にも「(盛山氏に)説明責任を果たしてもらうが、更迭はしない」と語ってきた。 首相の意思が固いのは、盛山氏は教団への解散命令請求を決定しており、便宜供与や政策決定への手心は見当たらないとの思いがある