筆者にとってエストニアは、特別な意味がある国だ。もともと英国やベルギーなど、「古い欧州」を中心に仕事をしていたのだが、いつの頃からか、「古い欧州」から「新しい欧州」へのパラダイムシフトをひしひしと感じていた。 結局、その刺激に我慢ができなくなり、社内で東欧法人への移籍切符を手に入れた。歴史的な大きなうねりの中に身を置いてみたかったのだ。移籍決定前に、最高幹部会でビジネスモデルについてプレゼンをしたのだが、それがこの国の首都タリンでの会議だった。中・東欧との縁を結んでくれた国、それが筆者にとってのエストニアである。 バルト3国最北端にあるこの国からフィンランドまでは、実は、船でわずか2時間程度で、週末になるとフィンランドから多数の観光客がやって来て、本国よりもはるかに安いビールやたばこを大量に買っていく。 言語的にロシア語などのスラブ言語ではなくフィンランド語に近い点も、フィンランド人がエス
