ここは個人的な主義主張を展開する場ではないので、政治的な話題はなるべく避けるように心がけてきたつもりです。しかし、簡略化すれば「日本が戦渦に巻き込まれたとしても文句が言えないシステム」である集団的自衛権については、もう少し議論がなされるべきなのではないかと思えてなりません。 そこできょうは、『十代のきみたちへ ──ぜひ読んでほしい憲法の本』(日野原重明著、冨山房インターナショナル)をご紹介したいと思います。著者はご存知のとおり、102歳になる聖路加国際病院名誉院長。そんな立場から憲法について語った本書は、タイトルこそ中高生向けではありますが、20~30代のビジネスパーソンにも、ぜひ読んでいただきたい書籍です。 なぜ医師なのに憲法に興味を持ったのか。それは「いのちを守る」という医師の仕事に、日本の憲法が深い関係を持っていると思ったからです。わたしたち医師の仕事は、みんなのいのちを守ることです