9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?ゼロ年代最高のフィクション、ついに文庫化。 出版社:早川書房(ハヤカワ文庫JA) レベルの高い作品である。 正直、これがデビュー作とは、到底信じられないくらいだ。リアルタイムで立ち会ったら、これはひとつの事件だと思ったかもしれない。 『虐殺器官』はそう思わせる作品である。 まず第一部の、「ぼく」ことシェパードが暗殺のミッションを受け、敵地に侵入するシーンからしてすばらしい。 そこにある軍事行動に関する圧倒的なディテールには驚いてしまうし、筆致の力強さもすばら
Back Index Next はじまる――少年は口角の切れた唇からほそい息をついだ。この一瞬のために、朝の勤行をさぼって抜け出してきたのだ。 うす闇のなか目をこすってそちらを仰ぎ見た瞬間、きらりと白銀の戴きが光り、目を焼くような輝きが青闇を切り裂いた。つづいて尾根をなめるように、太陽の狂おしい光がその形を照らしだす。どうにか瞬きをこらえると、それまでのよわい反射と違う、目を細めるほどの光がつぎつぎに弾かれる。それは、宮殿の屋根を飾る金の法瓶の照り返しだ。彼が肩でひと呼吸したと同時に光り満ちる紺碧の空に忽然と、紅白の宮殿があらわれた――ラサ市街を見守るように建つポタラ宮。観世音菩薩の化身ダライ・ラマ法王の居城であり、菩薩の住む補陀楽浄土をあらわす宮殿だ。 光の饗宴が終わり、あたりがすっかり白い朝の空気にかわると、テンジンは小さなあくびをした。僧にはふさわしくない振る舞いだが、見るものはいな
チルト(ティルト)シフトという、カメラのレンズを操作して被写界深度を調整することで、まるでミニチュア模型を撮影したような写真にしてしまう技法を用いて撮影された、ヴァン・ゴッホの絵画。 マットな線の太いゴッホの画風とのミスマッチ感覚を楽しむことができるんだ。 Tilt-Shift Brings Van Gogh Back to Life The Harvest, 1888 Starry Night Over the Rhone, 1888 Sunset: Wheat Fields Near Arles, 1888 Landscape at Auvers after the Rain, 1890 Pont de Langlois, 1888 Wheat Field with Rising Sun, 1889 The Painter on His Way to Work, 1888 The Re
唐草銀河 隣のサイドバーに入れました。 私の小説を気に入って下さったようですので、リンクしていただきました。わぁい。 唐草銀河は磯崎愛さんのオンライン小説サイトですよぅ。 兄を溺愛する妹の愛に困って、友人にやり場のない愛を八つ当たりするお兄ちゃんの小説がお気に入りです。 唐草銀河:それを何と呼ぶかは貴女が決めてくれ その前の妹さんの溺愛っプリも好きです。 唐草銀河:あたしのお兄ちゃん 1 っていうか兄妹愛が好きなんですよ! それから、夢物語も好きですね。というか私もそんなの書いてるし。 唐草銀河:全記事一覧 私は脳内妹小説を書いて載せるだけでヒーヒー言ってると言うか体がぶっ壊れて富野アニメもあんまり見てないので、ちゃんとした小説サイトを読んで勉強しようと思います。サイト全体の見せ方も工夫しなきゃなー、とか。 検索サイトの登録とかも…。 ああ、小説SNSに投稿するのをさぼっている…。pixv
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