「情報システムのクラウド化が進む」。IT業界にかかわる人々にとって共通認識になりつつある「クラウド」であるが、そもそもの目的を簡単におさらいしておこう。 企業における情報システムとは、企業活動を支える貴重な財産であると同時に、それを活用しさらなる利益獲得とコスト削減を両立する武器でもある。 しかし、昨今の情報システムは、加速度的に情報量が増えたことにより、多くの課題を露呈してきた。具体的には、より多くのトランザクションに対応しなければならないという課題、コストや組織に起因してシステムが乱立しているという課題、システムの設計/構築/保守に多くの手間が生じているという課題、などがある。 このような課題を解決すべく、情報システムのパラダイムを変えたのが、仮想化でありクラウドである。ユーザーは、クラウドを利用することにより、場所や時間を問わず必要なリソースを手早く利用することができる。また、IT管
パッケージ管理 今回は、Ubuntuサーバの基本的な管理、設定方法について解説します。 Ubuntuでは、各種ソフトウェアは「パッケージ」という形で提供されており、このパッケージを組み合わせることでOSとして動作しています。最初に、このパッケージを管理する方法を見ていきましょう。 まずは、インストールしたいパッケージを探す方法です。apt-cacheコマンドを以下のように実行すれば、キーワードからパッケージを検索することができます。 $ apt-cache search キーワード 出力が長すぎる場合は、以下のようにlessなどのページャにパイプで渡すと良いでしょう。 $ apt-cache search キーワード | less apt-cacheには、表1の通りほかにも多くの動作オプションが用意されています。詳しくは、man 8 apt-cacheコマンドでマニュアルを参照してください
説明の中で、(I1)や(S2)などの記号が出てきますが、これは第1回で使ったプロジェクト管理状況チェック表のNo.と対応しています。チェック表で明らかになった問題点に対応する部分は、特に注意して読んでみてください。 スコープ管理とは、プロジェクトの目標や作業範囲、成果物をきちんと定義し、その承認、検収について管理することです。スコープには成果物スコープ(Product Scope)とプロジェクトスコープ(Project Scope)があります。前者は、プロジェクトで作成すべき成果物を、後者はそのための作業の範囲を明確にすることです。 第2回のプロジェクト計画書(第2回:表1)に含入したプロジェクトの目標、成果物などは、もともとこのスコープ管理の計画プロセスのアウトプットなのです。スコープ管理では、PMBOKの知識管理体系(第2回:図1)に則り、[プロジェクトの立ち上げ][スコープ計画][ス
NIC設定の指針(OS標準機能) 今回は、SUSE Linux Enterprise Server(以下、SLES)のネットワークの設定について解説していきましょう。 サーバに搭載されているNIC(Network Interface Card)は、そのサーバの種類によってさまざまなタイプが存在します。またLinuxの場合、これらのNICに対する設定もPCのそれに比べると考慮点が非常に多く、適切な知識をもったネットワークエンジニアによる設計が必要です。 通常、PCであればNICのポート1つに対して、単一のIPアドレスやネットマスク、ホスト名などを設定します。しかし、サーバ用途では複数のNICを束ねて仮想的なインタフェースを構成する場合や、VLAN(Virtual LAN)ドライバによる仮想的なネットワークセグメントを作成する場合があります。基本的には、いずれの場合も物理的、仮想的なインタフェ
ここでは、サーバにRed Hat Enterprise Linux 5をインストールした後に必要となる基本的な設定項目を説明します。ここで取り上げるものは、サーバ管理の初心者が最低限知っておかなければならない知識ばかりです。 サーバ管理の初心者が知っておくべき内容としては、コマンドラインでの管理です。通常はシステム管理者や保守担当者がsysreportコマンドや独自のスクリプトにより、システムに設定されているパラメータを取得しますが、まずは基本的な管理方法を理解する上でも管理コマンドを入力する基本的な方法で紹介します。 まずインストールした項目どおりに設定されているか、ハードウェア資源の利用状況などを確認します。ここではハードウェアの基本コンポーネントである、ディスク、メモリ、CPUの状況を確認します。 ディスクの利用状況を確認するには「dfコマンド」を利用します。dfコマンドに「-Hオプ
この連載は、WebアプリケーションのテストツールであるSelenium(セレニウム)についてサンプルを用いながら概要と基本的な使い方を解説していきます。本連載第1回の今回は、Seleniumの概要について紹介します。 Seleniumとは、Webブラウザを使ってWebアプリケーションをテストするツールです。この「Webブラウザを使って」というのが非常に大きなポイントで、人が手でWebブラウザを操作する代わりにSeleniumがWebブラウザを操作してくれるのです。 そして単純に操作するだけでなく、例えばエラーメッセージが正しく表示されているかといった検証も行うことができます。つまり、今まで人手を必要としていたWebブラウザを使った試験が自動化できるものなのです。そのため数百項目もあるテストも、クリック1回で実施できます。 より重要なことは「自動化することによって試験を繰返し実施できる」こと
最近、日本の国際競争力は低下傾向にあると言われています。家電や自動車、ゲームなどまだまだ元気な産業もあるでしょう。しかし、造船や鉄鋼、半導体のようにかつては花形だったのに、その地位を奪われつつある産業も少なくありません。まして、建設・土木業やIT産業は、国内需要に甘んじて努力を怠り、一度も国際競争力を持てる水準になったことがありません。 IT業界の一員として、現在の国際競争力のなさに非常に歯がゆい思いがしています。しかし、なんとか巻き返しをと考えてみても、新技術の創造性、要素技術の保有、開発生産性、そして仕様や契約面でも、なかなか勝てる部分が思い当たりません。IT関連技術やソフトウェア製品は、米国やイスラエルなどの海外製品に圧倒され、残った労働力も中国やインド、韓国の技術者たちに脅かされつつあります。 そんな中、唯一これが突破口になるのではと期待しているのが「プロジェクト管理」です。プロジ
今、メトリクスが最新な理由 モデリングの最新動向を紹介する本連載の最後は、モデル化の最新技法ではなく、モデルのメトリクス(評価尺度)を取り上げ、Javaを例に代表的なメトリクスの解説とツールの紹介、開発現場での適用について解説します。 モデルのメトリクスとは、モデルを構成するクラスやメソッド、クラス間の関係、パッケージ間の関係などを、複雑さや結合度、凝集度などの観点から測定し、数値として表すものです。メトリクスを利用することで、モデルを簡単に評価することができるようになります。 コード行数や欠陥除去率など多くのメトリクスは、1970年代に確立されています。本記事で紹介するモデルのメトリクスの考え方は主に1990年代に確立されていますが、組み込み系のごく一部を除いて、現在に至るまであまり話題になることもなく、開発の現場でもほとんど利用されていないという状況にあります。 しかし、今後はモデルの
Redmineの機能と特徴 Redmineは、Ruby on Rails上で動作する、Webインタフェースの課題追跡(Issue Tracking)ツールです。原稿執筆時点(2008年9月現在)での最新のバージョンは0.7.3です。 Redmineが搭載している機能は、「マイルストン設定(ロードマップ)」「カレンダー/ガントチャートの表示(概要)」「作業時間の登録/集計(チケット、概要)」「作業履歴の閲覧(活動)」「課題の登録/追跡管理(チケット、新しいチケット)」「伝言板(ニュース)」「文書の登録/閲覧(文書、Wiki)」「ディスカッション(フォーラム)」「ファイルの共有(ファイル)」「ソース管理との連携(リポジトリ)」「ワークフロー定義」「メール通知」「RSS配信」「ユーザの管理/ロール・権限の設定」です。なお、かっこの中はRedmine画面上で対応する主なメニュー項目名です。 筆者の
なぜ工数の見積もりが必要なのか 最近ソフトウエア業界で話題となっている工事進行基準でも、「工事進ちょく度の計算根拠となる工事原価総額が信頼性を持って見積もられなければ工事進行基準を適用することができない」と述べられているように、ソフトウエア開発における工数見積もりの重要性はますます高くなってきている。 「見積もる」という言葉を広辞苑(こうじえん)で引くと、「1. 目で見て大体を測る。目分量ではかる。2. 物事のあらましを考え計算して予測を立てる。つもる。概算する」とある。ソフトウエアの工数見積もりは、2.の意味、つまり、対象となるソフトウエア開発のあらましを頭に描き、投入されるであろう、あるいは、投入すべき工数を予測する、ということになる。 ソフトウエア開発管理の主な観点はQCD(品質、コスト、納期)である。厳密にいえば、工数(人月)はコストとイコールではない。しかし、工数に基づき算出され
皆さん、はじめまして。本連載を担当するビーブレイクシステムズの益原です。 本連載では、テストとパフォーマンス向けのツール開発用フレームワークと標準機能を提供する「Eclipse Test and Performance Tools Platform」(以下Eclipse TPTP)をテーマとして取り上げます。第1回目は、Eclipse TPTPの概要とインストール方法を解説します。 システム開発では設計段階から品質の保証について考慮しますが、やはりテストやパフォーマンス検証がその要であることは間違いありません。開発工数全体の3〜5割を占めるともいわれることからも、その重要性をはかりしることができます。 しかし「テストやパフォーマンス検証を行う時間を十分に確保できるか」というと、必ずしもそうではありません。 なぜならシステム開発には品質だけではなく、納期やコストといった要素も重要だからです。
ここ数年、サーバシステムの低コスト化が顕著になってきており、IAサーバにいたっては手軽に導入できる数万円のものから、ストレージを含めて数千万円にもなる堅牢なものまで多種多様に存在するようになった。また64bitやデュアルコアなど、CPUの急速な進化もあり、それほどコストを掛けずに、ひと昔前では考えられなかったパフォーマンスを発揮するようになっている。 アプリケーションについても、エンタープライズ用途に十分に使える商用ソフトも多くなり、またオープンソースソフトウェア(OSS)はIAサーバでの利用がかなり進んできており、イニシャルコストの削減に寄与しているのはご存知の通りである。 そのためIAサーバは、部門サーバやフロントエンドサーバから基幹システムに至るまであらゆる用途で利用されてきている。またIAサーバに限らず、システムに重要な業務をさせるためには、導入する際に如何にシステムの持続性を確保
システム開発を進めるにあたり、バグやタスクなどを管理して、現在発生しているバグの数や担当者といったステータスを把握する必要があります。また、ある程度以上の規模のWebアプリケーションを開発する場合、数人のチームで開発を進めるケースが多く、開発を円滑に進めていくためにスタッフ間での情報共有が重要になってきます。 「Bug Tracking System(以下、BTS)」は、これらの問題を解決するためにプロジェクトのバグを管理し、修正状況を追跡できるよう可視化を行うシステムです。現在、BTSとして様々なソフトウェアが公開されており、ソフトウェアを開発する上での必須アイテムになりつつあります。 BTSの多くはWebブラウザ経由でアクセス可能なソフトウェアで、その中から今回はウノウで採用している「Trac」について説明します。 Tracは、BTSとWiki、Subversionリポジトリビューワー
RailsはDevid Heinemeier Hansson氏(以下、Hansson氏)が中心となって作成を続けているRuby製のオープンソースWebアプリケーションフレームワークです。まずはその概要について少し探ってみましょう。 Railsは、2003年の夏にHansson氏が作成を開始して、2004年にはじめて一般に公開されました。 それまでは「すぐに作れるけどゴチャゴチャしがちなPHPと、きれいだけど作るのに時間がかかるJavaを使ってソフトウェア開発をしていた」とHansson氏は語っています。そこで両者のいいとこどりをした「早くてきれいな」フレームワークを目指して開発をはじめ、現実のものにした結果がRailsなのです。
皆さん、はじめまして。本連載を担当するビーブレイクシステムズの益原です。 本連載では、テストとパフォーマンス向けのツール開発用フレームワークと標準機能を提供する「Eclipse Test and Performance Tools Platform」(以下Eclipse TPTP)をテーマとして取り上げます。第1回目は、Eclipse TPTPの概要とインストール方法を解説します。 システム開発では設計段階から品質の保証について考慮しますが、やはりテストやパフォーマンス検証がその要であることは間違いありません。開発工数全体の3〜5割を占めるともいわれることからも、その重要性をはかりしることができます。 しかし「テストやパフォーマンス検証を行う時間を十分に確保できるか」というと、必ずしもそうではありません。 なぜならシステム開発には品質だけではなく、納期やコストといった要素も重要だからです。
こんにちは。ビーブレイクシステムズの木下です。前回はSSLのメカニズムについて解説しました。今回は、皆さんのApacheでSSLを利用する方法について解説します。 それでは、皆さんの環境にApache+SSL環境を構築しましょう。 Apacheをインストールされていない方は、「第2回:Apacheをインストールしてみるのは難しくない」から、「第5回:ApacheをWindowsへインストールするのだ!」を参照し、それぞれの環境に合わせてApacheをインストールしてください。 インストール時の注意点として、ソースインストールを行う方はconfigure時に、「# ./configure ?enable-SSL」としmod_sslを有効にしてください。また、Windowsの方はOpenSSL付きApacheインストーラでApacheをインストールしてください。
こんにちは、ビーブレイクシステムズの富岡です。前回はEclipse WTPの概念の説明とインストールまで行いましたが、今回からはEclipse WTPに実際に触れていこうと思います。今回はEclipse WTPを可能な限り簡単に動作させるために、1つのサーブレットを用いて「Hello World」を出力するサンプルを作成します。 サーブレットを動作させるにはサーブレットコンテナが必要になるので、この機能を持ったアプリケーションサーバを準備する必要があります。本連載ではTomcatを使用していきますので、インストールをされていない方は、「Eclipse3ではじめるJava Webアプリケーション開発 第5回」の記事を参考にバージョン4.1.31をインストールしてください。 Eclipseのメニューバーから「ファイル → 新規 → プロジェクト」を選択し、ウィザードを用いてプロジェクトを作成し
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