本年4月、米海兵隊のデイヴィッド・バーガー司令官は、『フォース・デザイン2030:年次改訂版(Force Design 2030 Annual Update)』を発表した[1]。これは1年前に公表された改編構想をアップデートしたもので、海兵隊の将来像をより具体化したものとなっている。その肝は、米海兵隊がノルマンディー型の強襲揚陸作戦によるパワープロジェクションから脱却し、対艦ミサイルを含む分散型拠点を一時的に敵対勢力の影響下にある海域内の島嶼や沿岸部に前進配備することによって、海軍のシーコントロールに寄与する方向に作戦構想の転換を図っていることにある。キーワードは「遠征前進基地作戦(EABO: Expeditionary Advanced Base Operation)」と「海兵沿岸連隊(MLR: Marine Littoral Regiment)」、改編でもっとも大きな影響を受けるのは沖