東日本大震災の被災地で、首都圏の大学生が津波被害で閉校予定の公立中学校の体育館に自分の名前をいたずら書きした。「軽い気持ちだった」。学生らは後日、学校側にそう謝罪した。だが、落書きは消せても、被災者に残った苦い記憶は、簡単には消せそうにない。震災から、間もなく2年が経過する。 「このたび残念なことがありました。壊滅的な被害のあった学校の体育館建物内に、記念に名前を書いて帰ったのです。神奈川県の住人です」 神奈川新聞社宛てにそんな電子メールが届いたのは、昨年12月23日。津波で甚大な被害を受けた宮城県東松島市でボランティア活動をしている40代の男性からだった。 添付写真には、3人分の名前と住所。市立中学校の体育館の演壇に書かれていた。 2011年3月11日、海岸から200メートルほど離れた学校は校舎の2階まで津波にのまれ、全壊した。午前中に卒業式があり、生徒の多くは帰宅していたが、自