振り込め詐欺や投資詐欺などの犯行グループから押収した名簿を使って、全国の警察が、名前の掲載されている高齢者らに注意を呼びかける取り組みに力を入れている。 活用されている名簿は約63万人分。だまされる寸前に被害を食い止めたり、容疑者が逮捕されたりするケースも。ただ、今年上半期の特殊詐欺の被害額は過去最悪となっており、警察庁は、新たに押収した約60万人分の追加を決めた。 ◆振り込め“迎撃” 「品川区で息子を装った電話が入りました。すぐに注意喚起を始めて」。警視庁の「特殊詐欺被害防止対策電話センター」に警察官の大きな声が響いた。同センターでは連日、約30人の民間オペレーターが警察官の指示を受けながら、矢継ぎ早に電話をしている。 「だましの電話」は同じ地域で続く傾向があり、押収された名簿などを基に周辺へ集中的に「気をつけてください」などと連絡を入れる。こうした“迎撃電話”は、一日約6500件に上り