ウェスタロスでは内戦が始まり、スターク家の子らは散り散りになる。サンサはキングズランディングでラニスター家のもとに取り残され、アリアは父親が逮捕処刑を見て脱出し、ブランは負傷してウィンターフェルに留まり、私生児のジョンは〈壁〉に向かうが、〈壁〉の北側では〈異形〉(〈異形人〉)が再び現る。狭い海の向こう側に亡命していたデナーリス(デーナリス)は苦難の後にドラゴンを得る。 『七王国の玉座』は三つの主要な物語の筋を並行して追いかける。 ロバート・バラシオン王が、ウェスタロスの七王国の系譜を継ぐ名家であり、北部の統治者であるスターク家の古からの本拠地であるウィンターフェルに、エダード・スターク公を訪ねるところに物語は始まる。篤い信頼を寄せるエダードに、ロバート王は宰相である〈王の手〉の地位につくことを請う。妻キャトリン(ケイトリン)に妹ライサ(リサ)から手紙が届き、前の〈王の手〉である亡夫ジョン・