段ボール一箱に満たない所持品 2019年9月4日、午前8時50分頃。 仮釈放された男が、熊本刑務所の正面玄関から刑務官数人と一緒に出てきた。男は車の後部座席に乗り込む。刑務所と福祉施設を仲介する支援団体が用意した車だった。 乗り込む直前、刑務官がなにやら男に声をかけているようにみえた。「元気でな」「頑張れよ」。そんな言葉をかけているのだろうか。刑務所の敷地外にいる私(木村記者)のところまで会話の内容は聞こえてこないが、刑務官の表情は、穏やかな笑顔だった。 一体、男はどんな人物なのだろうか。61年ぶりの外の景色を車内からどう眺めているのだろうか。支援団体が走らせる車を後ろから追いかけながら、私と元浦ディレクターは妄想を膨らませていた。 刑務所を出た支援団体の車は、保護観察所、熊本市役所を経由。道中、食堂での昼食を挟んで、午後には受け入れ施設へと到着した。先述の通りこの施設は、一般的な老人ホー
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