数年前の夜、米国アイダホ州で一晩中冷たい風が吹き荒れた。翌朝、庭を見ると、回転草(タンブルウィード)が首の高さまで積み重なっていた。 最近、同じような光景をとらえた短い動画が公開され、オンラインで話題を呼んでいる。動画の説明によれば、モンタナ州ボーズマンで撮影されたもののようだ。数え切れないほどの回転草が風に吹かれ、カメラの前を横切っている。 回転草は100年以上前から米国西部のほぼ全域で目にするおなじみの植物だが、実は米国原産ではない。学名はSalsola tragusで、ロシアアザミとも呼ばれる通り、ロシアの草原地帯(ウラル山脈の東)から持ち込まれた外来種だ。 1年の大部分は地面にしっかり根を張って成長する。しかし、冬が来ると枯れ、茎がもろくなる。そして、風の一吹きで根元から折れ、地面を転がりながら、広範囲に種をまき散らす。科学ジャーナリストのジョージ・ジョンソン氏が書いた『ナショナル