オランダ議会下院は6月28日、イスラム教やユダヤ教の戒律に基づく食肉処理を禁じる法案を可決した。この法案では、気絶させたり麻酔で眠らせていない家畜の食肉処理を禁止する。そのため、意識のある家畜を食肉処理するイスラム教の「ハラール」やユダヤ教の「コーシャ」という処理方法は違法となる。 法案は動物保護団体としてヨーロッパで初めて議席を獲得した「動物愛護党」によって提出され、下院を116対30の賛成多数で通過。今後、上院で承認されれば法律として施行される。 これに対してユダヤ教徒とイスラム教徒は珍しく団結し、信仰の自由を侵害する行為だと非難している。法律が成立して施行されれば、何百年も戒律を守って食肉処理を行ってきた厳格なユダヤ教徒とイスラム教徒は、食肉を輸入するか肉をまったく食べなくなるか、オランダを去るしかなくなるだろう。 オランダ国内にはトルコやモロッコなどから移住してきた約100万人のイ