(3分割配信の2回目です 1回目) ウィルス感染症による多発関節炎(続) 前号に引き続き、ウィルス感染症による多発関節炎(HIV, HTLV-1)について述べる Parvovirus B19 小児ではりんご病(fifth disease)が有名だが、成人においては急性の関節リウマチ様多発関節炎を引き起こすことがある。男性よりも女性に感染した場合に関節炎を引き起こす頻度が高い。発熱は比較的稀で、約15%に顔面紅斑が見られる。 診断は「パルボウィルスB19-IgM抗体(抗VCA-IgM抗体)」による(「紅斑が出現している妊婦について、このウイルスによる感染症が強く疑われ、IgM型抗体価を測定した場合」のみに保険算定)。 HBV 急性B型肝炎の前黄疸期に対称性関節炎(手関節・膝関節)が生じ、発熱・蕁麻疹様皮疹を伴うことがある。関節炎は黄疸に約10日間先行し、黄疸の出現とともに消失する。慢性B型肝