2050年には27都道府県で1人暮らしが4割を超える――。国立社会保障・人口問題研究所が公表した都道府県別世帯数の将来推計でこんな姿が浮かび上がった。「ひとり社会」が急速に進む将来を前に、社会学者の宮本みち子・放送大名誉教授は単身高齢者だけでなく、現在35~64歳の「ミドル期シングル」の孤独に警鐘を鳴らす。【聞き手・宇多川はるか】 ――今回公表された将来推計をどうみましたか。 ◆傾向として予測はしていましたが、1人暮らしの比率も増加する速度も、予想を上回っている印象を受けます。沖縄で増加率が3割超など地方でも広がり、それが地方の人口減を推し進めています。どこの自治体も「若い女性が出て行かないように、働く場所を」と政策を検討してきたわけですが、見落としはどこにあったのか考えると、私は性別で役割分業する男女観の強さと女性の地位の低さにあると思っています。 地方自治体の中には、女性の就業率の高さ