20世紀のマリネッティと未来派宣言 建築およびインダストリアルデザインの世界は、常に人々の生活とともにあります。 建築とは人が住む場所を作ることであり、家具をはじめとするインダストリアルデザインは人々が日常のなかで使うものですから、それも当然のことといえるでしょう。 しかし、20世紀に入るまでその「人々」とは、一般大衆ではなく、一部の限られた富裕層を指していました。 たとえば現代でも知られているロマネスク(11世紀後半~)、ゴシック(12世紀~)、ルネサンス(15世紀~)、バロック(17世紀~)、ロココ(18世紀~)といった美術様式(あるいは美術運動)は、時の権力者の庇護を受けた美術家たちが、その権力者たちのために作品を作り上げるケースが多かったからです。 古来より洋の東西を問わず宗教が人々の生活と結び付いており、権力者はいわば芸術家のスポンサーとなり、自らの権力を人々に誇示するため豪華絢
