【東京】ソニーは、平井一夫氏が最高経営責任者(CEO)に就任して2年がたつが、おなじみのパターンに陥ろうとしている。業績回復が目前に迫っていると投資家にいったん伝えたものの、14日に赤字決算を発表する見通しだ。赤字は5年間で4度目になる。 消費者たちはアップルやサムスンといったブランドにシフトしている。格付け会社はソニーの社債の格付けをジャンク級に引き下げた。長年のソニー・ウォッチャーたちは、平井氏がソニーの過去の失敗の払拭(ふっしょく)に集中し、ヒット商品の探求に集中していないのではないかと懸念を抱く。過去1世紀で最も革新的な企業の1つという同社の評判を復活させるには、ヒット商品が必要だ。 2006年にソニーを去った元技術者の田村新吾氏は、「平井さんは表向きのメッセージはいい。ただ売れないものは切るという印象があり、どのような新しい生活をつくっていくのかというその先のビジョンが見えな