2005年に自殺した埼玉県北本市の中学1年、中井佑美さん(当時12)の両親が市と国に計約7670万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は9日、両親の請求を棄却する判決を言い渡した。両親は「学校でのいじめが原因で、適切な対策がなかった」と主張したが、舘内比佐志裁判長は「いじめがあったとは言えない」と判断した。両親は控訴する。 佑美さんは05年10月11日朝、自宅近くのマンション屋上から飛び降りて自殺した。自宅には「死んだのは(中略)クラスの一部に勉強にテストのせいかも」などと書かれた遺書が残されていた。訴訟で両親は、小学6年時の担任との交換ノートの記述や佑美さんが母親に話していた内容なども根拠に、小学6年生の時からいじめが続いていたと主張してきた。 これに対し、判決は「遺書からは自殺の原因が具体的に特定できない」と指摘。「同級生から『きもい』などと言われていたことはうかがわれるが、継続的