海外の学説を借りる人 歴史を語りたがる人 橋下市長と対決して簡単に葬り去られるような人たちをそもそも「識者」と呼べるのかどうかは疑問だ。さらに、彼らは自分自身の主張を持っていないのではないかと、私はいつも感じる。私なりに分析すると、日本の識者はいくつかのカテゴリーに分かれる。一つは海外の学者の説を借りてきて自分の考えのように主張するタイプである。たとえば世界的に著名な経済学者のポール・クルーグマンがインフレターゲットの必要性を説けば、「クルーグマン先生は……」と言って、日銀批判を始める。クルーグマンが日本の状況を知らないで論じているにもかかわらず、である。そして相手が引用元を知らないとわかるやいなや、あたかも自分の意見のように言い始めるのだ。 それから“歴史”を語りたがるタイプである。たとえば話の中に戦国武将や維新の志士を持ち出してきて、成功事例を失敗事例と重ねて解説し、「同じ轍を踏まない
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