「もう二度とごめんやと思っとったのに」。23日、宮崎県内で2例目となる高病原性鳥インフルエンザの発生に、新富町の養鶏農家は落胆し、声を震わせた。同町では2007年に続き2回目。「なぜ宮崎ばかり」「口蹄疫(こうていえき)みたいに広がるのでは」。防疫態勢が強化される中での続発は、牛や豚など約29万頭が殺処分された昨年の口蹄疫被害を想起させる。 鶏20羽の死骸が見つかった養鶏場がある新富町の養鶏団地。入り口は消毒用の石灰がまかれて真っ白になり、立ち入りを規制する看板も立っていた。その奥から、無数の鶏の鳴き声や動き回る音が聞こえた。飼育数計約41万羽は「県内でも有数の規模」(県内の養鶏関係者)だという。 「もう二度とごめんやと思っとったのに、来てしまった」。地元の採卵農家の男性は落胆をあらわにした。 4年前、男性の養鶏場は、鶏や卵を出荷できない移動制限区域に入った。毎日鶏が産む数万個の卵を、