低気圧がもたらした記録的な大雪で、岐阜県飛?地方では停電が続いている。一帯の家々では夜になるとろうそくがともり、家族が白い息を吐きながら身を寄せ合う。「つらくて涙が出た」。一人暮らしの高齢者は近所や身内の支えを頼りに暗闇と寒さをしのいでいる。 【写真】倒木のあった場所で除雪作業に追われる水道工事関係者=23日午後1時50分、岐阜県高山市、吉本美奈子撮影 岐阜県高山市清見町坂下。23日夕、薄暗い台所で清水美代子さん(79)が夕食を取っていた。テーブルにともるのは約15センチのろうそく。足元の灯油ストーブと、カイロで暖をとる。居間の電気ストーブは使えず、台所にいる時間が増えた。水道の凍結を防ぐため、蛇口からちょろちょろと流している水の音だけが家の中に響く。することがなく、ここ数日は午後6時に床についた。 夫が3年前に先立ち、一人暮らし。「停電して3日目くらいがつらくて、お父さんがいてくれた