9月上旬のことだ。 妻が、乳がんの手術のために入院することとなり、僕と息子のコトは、およそ二週間のあいだ、二人きりで過ごすことになった。 朝、病院に向かった妻を見送ったときには、「ぜんぜん大丈夫だよ。病気をなおして、かえってきてね」と言っていた息子。 だが、その日の夜には少し元気がなくなり、「ねぇ、ママはいつ帰ってくるんだっけ?」と、不安そうに僕に聞いたりしていた。 そして、翌日の朝。 息子はなかなか布団から起き上がらず、妻が愛用している毛布を抱きしめたまま、小さな声でこう言った。 「ねぇ、パパ。ぼく、きょうは学校に行きたくない」――と。 今日はそんな話をしようと思う。 ****** 「そっか。今日は、学校に行かないでおく?」 「うん。今日はおうちでゴロゴロする」 「いいよ。コトくんだって、そんな日があるよね。今日も、パパはおうちでお仕事の日だから、何かあったらパパのことを呼ぶんだよ」 「
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