茨城県立日立一高(同県日立市)が、エックス線の代わりに中性子線で物質の内部を見る「放射線透過試験」など、原子炉を使った実験を生徒にさせる計画を進めている。同県東海村に原子炉を所有する日本原子力研究開発機構と協議中で、文部科学省によると、原子炉を用いた研究は高校では例がない。鈴木幸男校長は「高校生の枠を超えた機会を与え、幅広い勉強をさせたい」と話している。 理数教育を重点化する文科省の「スーパーサイエンスハイスクール」(SSH)としての取り組みの一環で、実験するのは同校SSHクラスで中性子などを研究テーマに選んだ3年の男子生徒3人。必要な指導を受けたうえで、早ければ今月中にも中性子線を使った実験などに取り組む予定だ。 学校側は当初、世界最高性能の大型実験施設「J-PARC」(大強度陽子加速器施設)による実験を希望したが、機構側は「高度すぎる」として、同じ中性子を利用する研究炉「JRR-3