【ワシントン=尾形聡彦】中国の通貨「人民元」の切り上げを声高に求めていた米国政府に対し、3月中旬〜4月中旬に中国政府から「圧力をかければ、我々は動けない」との要請があったことがわかった。米国側は「圧力」をかけなければ、中国側が切り上げに動く意思を示唆したものと受け止め、切り上げを強く求める姿勢を改めた。中国側は「我々にも有権者がいる」と一党支配の社会主義国として異例の表現も使い、米国側に配慮を求めたという。 米政府高官ら複数の関係者が朝日新聞に明らかにした。米国側によると、中国側から「圧力をかけるのをやめて欲しい(ドント・プレス・アス)。米国が圧力をかけ続ければ、我々は動くことができない。我々にも有権者(コンスティテュエンシー)がいる」と伝えられたという。 米中間では、3月中旬から4月中旬にかけて、北京でのガイトナー財務長官・王岐山(ワン・チーシャン)副首相会談や、ワシントンでのオバマ