製造中の英国向け車両。フル稼働が続く=山口県下松市の日立製作所笠戸事業所英国に納入したCTRL車両。開設した車両基地で、保守点検も行う=英・アシュフォード、日立製作所提供 新幹線「700系のぞみ」の車両などを手がけながら、欧米では無名だった日立製作所の電車事業。10年前に鉄道発祥の地・英国市場に参入したものの、当初は苦戦続きでした。しかし、挑戦の積み重ねとブランドの積極的なPRが実を結び、足場を築きつつあります。 ■苦節10年、3強の壁超え174両 瀬戸内海に面する山口県下松市の日立製作所笠戸事業所。増設したての車両工場では、先頭に黄色をあしらったロイヤルブルーの車両の製造が着々と進む。09年に開通する英国海峡線(CTRL)向けの車両だ。すでに1年以上フル操業が続き、24両が海を渡った。来年までに計174両を納入する予定だ。 日立が英国での電車の受注に取り組み始めたのは99年。国内で