世界に1頭だけ生存していたキタシロサイのオスが19日、死んだ。ケニア中部のオル・ペジェタ自然保護区が発表した。保護区のメス2頭が残るのみで、絶滅がほぼ確実な状況となった。 AP通信によると、死んだオス1頭の名前は「スーダン」。45歳だった。高齢のため筋肉や骨が衰えて立てなくなり、症状が悪化したため安楽死させた。 保護区はオスの精子とメスの卵子を冷凍保存しており、体外受精による再生を「最後の望み」とするが、見通しは立っていない。 キタシロサイはかつて、アフリカ中部に広く生息した。だが、角がベトナムや中国などアジアで主に漢方薬として売られ、それを目当てにした密猟が横行するなどして激減した。