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記者会見で「なぜ娘が自死に追い込まれたのか真実を知りたい」と涙ながら訴える女子生徒の両親=福島県郡山市で2023年12月4日、根本太一撮影 福島県立須賀川創英館高校に通っていた3年の女子生徒(当時17歳)が2022年4月に自殺した問題で、生徒の両親が4日、郡山市内で記者会見した。県教育委員会が設置した第三者委員会が8日に報告書をまとめるのを前に、「なぜ娘が追い込まれたのか、真実を知りたい」と涙ながらに訴えた。 生徒は、新学期開始間もない22年4月15日に亡くなった。両親は直後、県が開設している相談窓口に、生徒が「クラスにいづらい」などと送ったメールの書き込みを見つけたという。 0歳時に腸の一部を切除する手術をした際の家族の苦労話を知り、小学生で「看護師になる」夢を描いていた。中学の弁論大会では、生命の大切さを語り、高校ではスポーツ部活動のマネジャーとして青春を満喫していた。
山梨県道志村で未成年のものとみられる骨の一部が見つかり、山梨県警は26日朝から約50人態勢で残りの部位や遺留品などの捜索を始めたことが捜査関係者への取材で判明した。同村の「椿荘オートキャンプ場」では2019年9月に当時小学1年生で7歳だった小倉美咲さん(千葉県成田市)が行方不明になっている。県警は事件と事故の両面で調べるとともに身元確認を急いでいる。 関係者によると、骨の一部はキャンプ場から約600メートル離れた林道近くの沢で見つかった。ボランティアが発見したという。県警は26日に司法解剖して死因を調べる一方、DNA型鑑定で身元確認を進めている。これまでのところ、現場周辺で小倉さんの所持品などは見つかっていないという。
男性の徴兵制がある韓国で、女性にも兵役を課すべきだという議論が活発化している。今年5月には、女性徴兵制を求める大統領府あての請願に29万人以上が賛同し、話題を呼んだ。20代の韓国人らに話を聞くと、兵役に不満を抱く男性だけでなく、女性からも賛成の声が聞かれた。 署名した市民や専門家に取材する中で、今の韓国社会が抱える課題が見えてきた。それは日本人にとっても人ごとではない問題だ。 29万人が賛同 「女性も徴兵の対象に含めてください」。今年4月、青瓦台(大統領府)のホームページ(HP)に、こんなタイトルの請願が投稿された。30日以内に賛同者が20万人を超えれば、政府が見解を出す仕組みになっている。 請願の投稿者はHP上で、「出生率の低下が軍の兵力の補充にも大きな支障をきたしている。軍務に適していない人員も無理やり徴兵対象となっているため、軍の質が落ちている」と指摘。軍はすでに将校などに女性を募集
取材に応じる「なまぽちゃん」=2021年8月6日午後3時6分、山下智恵撮影(画像の一部を加工しています) <お金に困って風俗やるしかないかもと思ってる女の子みんな生活保護受給すること>。生活保護を受給する女性がツイッターとブログで、こう呼びかけていた。SNS(ネット交流サービス)上で「なまぽちゃん」と名乗る女性は借金が返済できなくなって風俗業界に入り、その後、新型コロナウイルス禍や抑うつ症状などの困難を経て生活保護にたどり着いたという。「風俗はセーフティーネットじゃない。当たり前に生活保護を受給してほしい」。生活保護バッシングが吹き荒れるSNSの世界から、なまぽちゃんが伝えようとしていることを聞いた。【山下智恵/デジタル報道センター】 「メンタリスト」という肩書で活動するDaiGo氏が、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」でホームレスや生活保護受給者を差別する発言をし、SNS上
「LGBT理解増進法案」について審査する自民党の会合であいさつするLGBT特命委員会の稲田朋美委員長(中央)=東京都千代田区の自民党本部で2021年5月20日午前8時34分、藤沢美由紀撮影 「『LGBTは種の保存に背く』『道徳的にLGBTは認められない』発言の撤回と謝罪を求めます」――。「LGBT理解増進法案」を巡り、自民党で20日に開かれた会合での出席議員からの差別発言や、会合後の山谷えり子参院議員の発言に対し、批判の声が高まっている。自民党議員に発言の撤回や謝罪を求める署名キャンペーンも始まり、21日夕までに5万人を超える署名が集まっている。 「道徳的に認められない」など差別発言相次ぐ 20日午前、東京・永田町にある自民党本部では、LGBTなど性的少数者に関する「国民の理解の増進に関する施策」について定めた「LGBT理解増進法案」を審査する会合が開かれた。この法案を巡っては、超党派でつ
東京・池袋で2019年4月、近くの主婦、松永真菜さん(当時31歳)と長女莉子ちゃん(同3歳)が乗用車にはねられ死亡した事故で、自動車運転処罰法違反(過失致死傷)に問われた旧通産省工業技術院の元院長、飯塚幸三被告(89)は27日、東京地裁(下津健司裁判長)で開かれた被告人質問で「アクセルを踏んでいないのに加速した。視線を落とすと、アクセルペダルが(運転席の)床に張り付いて見えた」…
菅義偉首相が打ち出した2050年に温室効果ガス排出を「実質ゼロ」にする目標に向け、産業界の「重鎮」が苦言を呈した。 日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長(トヨタ自動車社長)は17日、オンラインで取材に応じ、政府が30年代に新車のガソリン車販売をなくすことを検討していることについて「自動車業界のビジネスモデルが崩壊してしまう」と懸念を示した。日本は火力発電の割合が大きいため、自動車の電動化だけでは二酸化炭素(CO2)の排出削減につながらないとの認識を強調し、電気自動車(EV)への急激な移行に反対する意向を示した。 原発比率が高く、火力発電が日本と比べて少ないフランスを例に挙げ、「国のエネルギー政策の大変革なしに達成は難しい」「このままでは日本で車をつくれなくなる」などと発言。EVが製造や発電段階でCO2を多く排出することに触れ、「(そのことを)理解した上で、政治家の方はガソリン車なしと言
伊藤詩織さんに関する投稿の分析を担った評論家、ラジオパーソナリティーの荻上チキさん=東京都千代田区で2020年6月19日、幾島健太郎撮影 自分に関する70万件もの書き込みがインターネット上に存在し、その中に多くのデマやバッシングが含まれていたとしたら、あなたはどう感じるだろうか。ジャーナリストの伊藤詩織さんが6月、ツイッター上に投稿されたイラストなどで名誉を傷つけられたとして漫画家のはすみとしこさんらを提訴した際、自身に言及する少なくとも70万件の書き込みを分析したことを明らかにした。大量の書き込みから一体何が見えてくるのか。分析を担った評論家の荻上チキさんに聞いた。【塩田彩/統合デジタル取材センター】 70万件の投稿をチームで確認 「正面から向き合い闘うのがつらかった。そうすることにどれくらい意味があるかもわからず、見なければいいと自分に言い聞かせていたところがあった」。伊藤さんは6月8
小池百合子・東京都知事の半生を描いた評伝「女帝 小池百合子」が大きな話題を呼んでいる。出版元の文芸春秋によると、5月29日の発売から約2週間で既に15万部を突破し、ノンフィクション作品としては記録的な売り上げとなる勢いだ。ツイッター上でも「都民だけでなく有権者として読んでおくべきだ」などといった感想が寄せられており、都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)での都民の投票行動にも少なからぬ影響を与える可能性がある。【古川宗/統合デジタル取材センター】 3年半かけて100人以上に取材 同書は、女優・原節子の評伝で「新潮ドキュメント賞」を受賞した実績などを持つノンフィクション作家の石井妙子さんが執筆した。3年半かけて関係者100人以上に取材したといい、小池氏の幼少期から現在までを描いた400ページを超える大著だ。小池氏のエジプト・カイロ大への留学や、政治家となってからの言動など数多くのエピソー
判決を前にフラワーデモをする被害者の支援者ら=名古屋市中区の名古屋高裁前で2020年3月12日午後2時4分、兵藤公治撮影 2017年に愛知県で当時19歳の実の娘に性的暴行をしたとして、準強制性交等罪に問われた被告の男(50)の控訴審判決で、名古屋高裁(堀内満裁判長)は12日、無罪とした1審・名古屋地裁岡崎支部判決を破棄し、懲役10年(1審の求刑は同10年)を言い渡した。19年3月に類似の無罪判決が相次ぎ、性暴力被害者らが国に刑法改正を求める署名を提出、デモ活動も広がった。福岡地裁久留米支部で無罪判決が出された事件も、20年2月5日に福岡高裁で逆転有罪判決(被告は最高裁に上告)が言い渡されている。 被告は17年8月に勤務先の県内の会社で、9月に県内のホテルで娘と性交したとして起訴された。同罪は、相手を抗拒不能(身体的・心理的に抵抗するのが著しく難しい)の状態にさせたり、その状態につけこんだり
夫婦の老後資金として公的年金以外に「30年で2000万円が必要」とした金融庁の金融審議会市場ワーキンググループ(WG)の報告書問題で、この報告書に採用された試算とは別に、金融庁が独自に「30年間で1500万~3000万円必要」とする試算を行い、WGに提示していた。麻生太郎副総理兼金融担当相は報告書を「公的年金で老後生活をある程度まかなえるとする政府の政策スタンスと異なる」としたが、金融庁も公的年金を補うのに必要な具体額をはじいていたことになる。 金融庁の試算は4月12日のWGに「事務局説明資料」として提示。厚生労働省の課長が総務省の家計調査をもとに差額を月5.5万円程度と説明したのと同じ日となる。議事録によると、金融庁担当者が「私どもでどれぐらいの資産形成をしたらいいのだろうと、一つ試算した」と説明した。
「痴漢で一番悪いのは満員電車ですよ。状況が人の行動を決めるんです」。5月下旬、広島修道大の中西大輔教授(社会心理学)がツイッターに投稿したところ、賛否の声が続出。「満員電車じゃなければ痴漢や痴漢冤罪(えんざい)にもおびえなくて済む」「満員電車は関係ない」などと議論を呼んだ。中西教授のツイートの真意とは。【待鳥航志/統合デジタル取材センター】 痴漢を巡っては5月中旬、撃退用の安全ピンを持ち歩くことの是非を巡り、ツイッター上で意見が飛び交った。これを受け、中西教授は「一番悪いのは満員電車」と投稿。これまでに700回近く拡散されて160件以上の返信があった(6月5日午後時点)。「満員電車のストレスが減るだけでも犯罪はだいぶ減る」との肯定的な意見もあるが、「一番悪いのは痴漢をする人間です」「路上や図書館にも痴漢はいる」といった反論が目立つ。…
高橋幸美さんは全国各地で過労死や過労自殺の根絶を訴えている=京都市内で2018年11月、宇多川はるか撮影 「娘の話をし続けるのは疲れる。ヒステリックな母親と思う人もいるんでしょうね」。電通社員で過労自殺した高橋まつりさん(当時24歳)の母は、苦笑まじりに言った。「死んだら負け」という人気タレントの発言が歓迎される冷たい社会。娘が苦しみ抜いた長時間労働やパワハラがなくなる日は来るのか。【宇多川はるか/統合デジタル取材センター】
気象庁富士山測候所の職員が68年間つづった40冊以上の「カンテラ日誌」が所在不明になっていた問題で、同測候所を管轄した東京管区気象台は毎日新聞の取材に、昨年11月以降に「文書整理の一環」で廃棄していたことを明らかにした。気象観測のほか、眼下の空襲など太平洋戦争も記録した貴重な資料が失われた。閲覧したことがある気象専門家らは「職員が見たまま感じたままを率直に記した第一級の歴史資料だった。機械的に捨てるなんて」と批判している。 同気象台総務課によると、日誌は昨年11月までは倉庫にあったが、他の行政文書と一緒に溶解処分したという。取材に対し同課担当者は「毎日の出来事や感想を個人的に書き留めたもの。職務ではなく、行政文書に当たらない。庁舎内のスペースは有限で、必要ないものを無尽蔵に保管できない」と説明した。
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