襖の裏張りに使われていた明治期の文書 (右側の○が襖の引手跡) 昨夏のことであるが、県史編さんグループに襖(ふすま)の下張り文書が届けられた。久居市(現津市)の旧家で襖の張り替えをした表具店の方が、三重県庁の罫紙を使い明治期の年号が書かれた文書などが多数裏張りに使われているのに気づき、表具店の知人を経て当グループに情報が入ったのである。断片であり、資料的価値は少ないかと思われたが、その中に、県庁文書とは別に旧飯南郡西黒部村松名瀬(現松阪市)の製塩業に関する資料が含まれていた。これまで「県史あれこれ」や「発見!三重の歴史」でも、古代から近世までの製塩業の歴史について触れているが、今回は近現代に焦点を当てて三重県の製塩業について見てみよう。 今回見つかった資料は、1905(明治38)年5月11日付けで松名瀬製塩組合の統領や南中釜・北釜・西釜・東釜・山釜の各釜頭たちが連名で名古屋塩務局東黒部出張