そもそもイダがこのプロジェクトへの参加を決めたのは、善意からというのもあるが、自身が女性の権利運動に青春を捧げた情熱的な人類学者だからだ。検査室内の歪なジェンダーバランスは彼女を苛立たせたが、同時に彼女のやる気を刺激した。イダは恋人の背中を叩き、「じゃあ、始めましょうか?」と声をかけた。 3人の科学者は直立不動の姿勢をとり、イダの恋人ヤップ(Jupp)は用を足すためにトイレに駆け込んだ。科学者のひとりがMRI機器から格納式の金属の台を引き出し、イダとヤップは服を脱いで、全裸でその上にはい登った。当初はヤップがイダの上に横たわって正常位でする予定だったが、イダはそのアイデアに異を唱えた。「私はそんな体位じゃ興奮なんてできない」と彼女は説明する。「どちらにしろ、あんな狭いトンネルのなかでヤップが上に乗ったら重すぎる」。そこでふたりは背面側位で試みることにした。 3人の男性科学者は検査室のオペレ
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