米国債投資で損失を出した国内の大手銀行が、その穴埋めのため日本国債を大量に売却したことが、このところの長期金利の上昇に拍車をかけた。日銀が「包括緩和」で金利低下に躍起となる中、大手行の売却が、その効果を帳消しにしてしまった格好だ。 日本証券業協会によると、主に国債で占める短期証券を除いた公社債の投資家別売買高で、11月に大手銀行は、2兆8905億円の売り越しとなった。平成10年以降では、過去3番目の高水準だ。 市場関係者によると、大手行は春先以降、相場の上昇(金利の低下)を予想し、米国債を買い進めてきた。ところが、11月3日に米連邦準備制度理事会(FRB)が追加金融緩和に踏み切った以降、景気改善や一段の緩和観測の後退を背景に、相場は反転(金利は上昇)に転じ、保有する米国債に多額の含み損が発生した。 各行は、大あわてで売りに転じ、損切りする一方、含み益のある日本国債を売却することで、損失を穴