三菱UFJが1兆円規模の増資をすると日経新聞が報じていた。これまでも世界中で資本調達は活発であり、なんだか慣れっこになってしまった感があるが、やはりこれは重い。 債券投資家としては、銀行増資は悪い話ではない。銀行システム安定の材料だし、個別銀行の債務履行のバッファーが大きくなるわけだから、原則的には安全性が増す(原則的には、と書いたのは、やはりその時の状況によるとしか言いようがないからであるが)。とりわけ、これまでバランスシートの右側のかなり下のほうにあった優先出資証券や劣後債券の投資家にとっては、さらにリスクの引き受け手が下に入ってくれる形となるので、安心感は増すはずだ。しかしながら、株も運用する年金や一般機関投資家としての立場からはやはり迷惑千万としか言いようがないと思う。とりわけ、最近のような普通株増資については直接的なダイリューションと需給の悪化が同時に来るわけであるから、個別株に