研究者SNSとして2008年にスタートしたResearchGateは,研究者の人的ネットワークの構築,協業,最新情報のキャッチアップなどを支援するサイトとして,193か国で1,500万人超が会員登録し,学術コミュニティーの中で存在感を示している。 同サイトには雑誌論文が会員の研究成果としてアップロードされているが,それらを無償で入手することが利用の動機になっている。その中には本来有料購読が必要な出版社版コンテンツが多く含まれていることが問題となり,ResearchGateに対し著作権に準拠した運用を求める出版機関との攻防が繰り広げられている。 主な経緯を簡単に振り返る。まず,主要な学術出版社150以上が参加する国際STM出版協会が2017年9月に改善勧告をしたがResearchGateからの反応はなかった。数週間後の10月5日には,米国化学会(ACS),Elsevier,Wiley,Wol