断っておくが、私は市場主義経済が現存するシステムでは最高のものであると信じている。そして、勤勉で創意工夫を継続する努力を苦にしない日本人には合っていると思うし、日本人を幸せにするシステムと同様考えている。 これは何も、経済や金融の本を読んで理解したと言うよりも、商社マンとして社会人のスタートを切り、20代半ばで当時の西ドイツに留学した際、以前から興味のあった「東ベルリン」を二泊三日で訪問し、その時に感じた強烈なカルチャーショック、その後30代半ばから5年間担当した中国とベトナムの市場開放による成功と国民がそのことにより享受した恩恵を実感として体験した事が、今尚、私の考えを支配しているからだと思う。 中国成功の立役者は鄧小平である。そして、1978年の訪日が彼の考えを確固たるものにしたと思う。古臭いカビの生えたイデオロギーに決別し、経済とその基盤となる技術こそが中国の繁栄を約束すると考え、そ