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ブックマーク / apeman.hatenablog.com (77)

  • 松井石根の“日中親善主義”なるもの - Apeman’s diary

    最近は文春新書の新刊のチェックなども怠りがちだったのですが、情報提供をいただいて7月にはこんな駄が出ていたことを知りました。 早坂隆、『松井石根と南京事件の真実』 古屋で見かけたら購入するつもりです。立ち読みしてみるまでもなく帯の「昭和史のタブーに挑む問題作」やら「ついに明らかになる南京戦の全貌」という文句がすでに志の貧しさを物語っています。まあそれでもいちおう目次を始めごく簡単に立ち読みはしてみました。松井の「日中親善主義」だのなんだのが繰り返し強調されているようです。しかし松井の日中戦争認識たるや、次のような代物でした。 抑も日支両国の闘争は所謂「亜細亜の一家」内に於ける兄弟喧嘩にして、日が当時、武力に依つて支那に於ける日人の救援、危機に陥れる権益を擁護するは、真に巳むを得ざる防衛的方便たるは論を俟たず。恰も一家内の兄が忍びに忍び抜いても猶且つ乱暴を止めざる弟を打擲するに均しく

    松井石根の“日中親善主義”なるもの - Apeman’s diary
    kokogiko
    kokogiko 2011/07/29
  • 自分が殺した男の娘に会った米帰還兵 - Apeman’s diary

    アメリカの軍事史家デーヴ・グロスマンは人間が他の人間を殺すことに対して持つ抵抗感、特に近距離で殺すことへの抵抗感の強さを例証するものとして、次のようなケースを紹介している。 (……)アメリカ軍の中隊指揮官ウィリス大尉は、部隊を率いてベトナムの川床を歩いていたとき、だしぬけに北ベトナムの一兵士と遭遇した。 ウィリスは兵士に並び、M16で相手の胸を狙った。五フィートと離れていなかった。兵士のAK47もまっすぐウィリスに向けられている。 大尉は激しく首をふった。 北ベトナム軍の兵士も同じように激しく首をふった。 休戦協定、停戦命令、紳士協定、それとも取引か……兵士はそろそろとあとじさって闇に消えてゆき、ウィリスはそのまま進み続けた。 (『戦争における「人殺し」の心理学、ちくま学芸文庫、210ページ) もちろん、すべての兵士が殺人を選択せずにすむわけではない。 (……)あるベトナム帰還兵は、若い北

    自分が殺した男の娘に会った米帰還兵 - Apeman’s diary
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    kokogiko 2011/07/08
  • 『複合戦争と総力戦の断層』 - Apeman’s diary

    山室信一、『複合戦争と総力戦の断層 日にとっての第一次世界大戦』、人文書院(「レクチャー 第一次世界大戦を考える」) 『カブラの冬』に続いて読んだ「レクチャー 第一次世界大戦を考える」の一冊。書を特徴づけているのは日にとっての第一次世界大戦が「複合戦争」であるという視点。 日にとっての第一次世界大戦とは、対独戦争、シベリア戦争という戦火を交えた二つの戦争と、日英間、日中間、日米間の三つの外交戦からなる複合戦争として存在していたと捉え直すべき[では]ないか、というのが書で提起したい視点である。 (12ページ) 以上のように、第一次世界大戦を複合戦争として捉えることが可能であるとするなら、その期間は一九一四年八月の対独戦争参戦からシベリア戦争時に占領した北樺太からの撤退を終えた一九二五年五月まで、断続的であったとはいえ一〇年九ヶ月にもおよび、大正時代十五年の大半は第一次世界大戦期であ

    『複合戦争と総力戦の断層』 - Apeman’s diary
    kokogiko
    kokogiko 2011/07/02
  • 放送予定 - Apeman’s diary

    6月19日(日) 午後9時00分〜9時49分 NHK総合 NHKスペシャル「沖縄戦をたどる〜(仮)」 近現代史の戦争の中で、もっとも凄惨な戦いとされる沖縄戦。日側の死者は18万人以上、米軍側の死者も1万人を超える。 ピュリツァー賞作家、デール・マハリッジは海兵隊員だった父が死ぬ直前、「自分は太平洋戦争末期、沖縄戦に加わり、多くの日人を殺した」と告白を受ける。デールの父は、戦場から持ち帰った多くの遺品を遺族に返してほしいと言い残し、息を引き取った。父は生前、デールに一度も笑顔を見せず、絶えず何かに怯え続けていた。父をあれほど、苦しめたものは何だったのか、デールは父と同じ部隊の生き残りを探し、全米を訪ね歩いた。その結果、父の所属した部隊は沖縄戦で240人中31人を除いて、みな戦死したこと、生き残った人たちも多くがPTSDに苦しみ続けたことを知る。今年4月、デールは父の託した遺品を持って、初

    放送予定 - Apeman’s diary
    kokogiko
    kokogiko 2011/06/12
  • 花岡事件「和解」問題、その後 - Apeman’s diary

    関連エントリ http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20080205/p1 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20090223/p2 http://d.hatena.ne.jp/Apeman/20090809/p1 大戦中に花岡鉱山出張所で強制労働を強いられた中国人被害者が鹿島建設を提訴しその後東京高裁での協議により和解が成立した事例につき、被害者の一部が和解を拒否していること、その背景には和解条項が1990年に原告側と鹿島の間で行なわれた「共同発表」から大幅に後退していた*1だけでなく、この重要な後退が被害者らに伝えられていなかったことがある……という問題についてはこれまでも簡単にではありますがとりあげてきました(上記「関連エントリ)参照)。 4月25日に鹿砦社から発行されたムック、『告発の行方 知られざる弱者の叛乱』に収録された「三百代言で塗

    花岡事件「和解」問題、その後 - Apeman’s diary
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    kokogiko 2011/05/28
  • 「“朝鮮人軍夫”の沖縄戦」 - Apeman’s diary

    (実際には2日に書かれたエントリですが、1日付にしています。) 2011年 2月27日 NHK総合 証言記録 市民たちの戦争 「“朝鮮人軍夫”の沖縄戦」 沖縄・糸満の「平和の礎」には447人の朝鮮半島出身犠牲者の名前が刻まれているが、「実際には1万人が命を落としたとも言われ」、朝鮮半島から沖縄への徴用や沖縄戦での犠牲の全貌は明らかになっていない、という。 番組では韓国の国家記録院で発見された「船舶軍 沖縄留守名簿」に記載されていたおよそ2,900人から生存者を捜し出し、徴用の手口、差別的待遇、日軍による不法な処刑などについて証言を得ている。この名簿の発見後に韓国で建立された慰霊碑に刻まれた名前の多くは、身元が判明していないため「日名」のまま。この事実が国家の暴力と、その被害者に対する国家の冷淡さの証拠となっている。

    「“朝鮮人軍夫”の沖縄戦」 - Apeman’s diary
    kokogiko
    kokogiko 2011/03/03
  • さてこれは誰の発言でしょう? - Apeman’s diary

    青年たち、少年たち、婦人に至るまで英米を打倒することの美しさにあこがれていた。葦沢、清原の冷静な自由主義者が排斥される理由はそこにあった。事の正邪をわすれ正しい批判を忘れた国民の心の流れが、今では大きな勢いとなって進んでいた。かつて国民を煽動した軍部自身、もはや民心の流れを防ぎ止める力をもたなかった。 Nスペ「"熱狂”はこうして作られた」のなかで(例えば東條英機首相が自分に寄せられた投書について「東條は腰抜けだと言っているのだろう」と語ったというエピソードに続くナレーションとして)、あるいはその続編として民衆の戦争責任を問う番組がつくられたとしたらそこで使われたとしてもまったく違和感のない文章ですが、これは『生きている兵隊』を書いた石川達三が毎日新聞にて1949年4月から連載した小説『風にそよぐ葦』(前篇)の一節を、『言論統制』(佐藤卓己、中公新書)から孫引きしたものです(46-7ページ、

    さてこれは誰の発言でしょう? - Apeman’s diary
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    kokogiko 2011/03/03
  • NHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか 第3回 "熱狂”はこうして作られた」 - Apeman’s diary

    大きな枠組みとしてはこれといって目新しいところのない内容でしたね。マスメディアの戦争責任についてはすでに学問的な研究の蓄積もあるし、比較的最近も朝日新聞でかつての戦争報道を振り返る連載があったり(他紙で同様の企画が近年あったかどうかは把握していない)、NHKでも「戦争とラジオ」という2回シリーズを放送しているし。 やはり目玉は今回の取材で発見されたという録音資料でしょう。日新聞協会が100人以上の元記者たちにインタビューして残したテープ。画面に映ったテープのラベルに書かれている日付は昭和50年とか54年とか61年だったりするので、戦後30〜40年頃に取材され、それから30年近く世にでないまま「行方不明」になっていたことになります。 また今村均や鈴木貞一、福留繁など陸海軍人たちの録音資料についてはその素性が(番組内では)明らかにされていなかったが、元記者たちのテープと同様どのような経緯で記

    NHKスペシャル「日本人はなぜ戦争へと向かったのか 第3回 "熱狂”はこうして作られた」 - Apeman’s diary
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    kokogiko 2011/02/28
    「あなたは、日本が再び戦争をする日が、来ると思いますか?」というアンケート…「すでに来ていると思う」という選択肢はない
  • アパグループ第3回「真の近現代史観」懸賞論文、受賞作決定 - Apeman’s diary

    最近の某皇族ワナビーのツイートをきっかけに第2回の「真の近現代史観」懸賞論文のことなど思い出しておったわけですが、第3回の受賞作も決まっておったんですな。ひとさまのブクマ経由で知りました。 http://www.apa.co.jp/book_report3/index.html 今度の最優秀賞受賞者はチャンネル桜のキャスターということなんですが、受賞作をみると回を追うごとに“出力”が弱まってる感じですね。しかしそれは裏を返せば「一見して違和感を感じる人が少ない」ということでもありますから、より悪質と言えば言えます。題材となっている遺骨収集事業それ自体(事業のあり方は別として)には異を唱える人がまずいないであろうからなおさらです。まあゴマカシのタネは陳腐きわまりないものですけど。 私は「日軍は侵略をした悪い人達。謝罪をしなければ」と言っている全ての人達にこの状態を見てもらいたい。そして問い

    アパグループ第3回「真の近現代史観」懸賞論文、受賞作決定 - Apeman’s diary
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    kokogiko 2011/02/12
  • これまでのまとめ - Apeman’s diary

    Welcom to this crazy time! この tdam の世界へようこそ〜 というわけで、これまでの id:tdam の発言およびそこから論理的に帰結する命題から彼の主張をまとめてみました。 ・自然言語による推論では、ある命題からその対偶を導くことはできないが、裏を導くことはできる(あるいは、必要条件と十分条件の違いに関して間違っているのは俺じゃない、世界の方だ!)。 ・「正当性(不当性)」と「合法性(違法性)」とは異なる概念であるが、置換可能である。 ・近代は「法に明記されたもののみが違法となる価値観」が支配する時代であるが、1937年冬の南京における日軍は中世(ないしそれ以前)にタイムスリップしていた。 ・敗残兵に「便衣兵」という疑いをかけて裁判なしに処刑することは不当であるが正当である。 ・「虐殺=違法な殺害」以外の「虐殺」の定義の可能性についてはこれっぽっちも検討し

    これまでのまとめ - Apeman’s diary
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    kokogiko 2011/01/13
  • 「弁護したい」という欲望が認知を歪ませる - Apeman’s diary

    http://twitter.com/maji1985/status/24636718896390144 ご存知の方も多いと思いますが、これは韓国政府のサイトに掲載された「慰安婦募集」ポスターが「強制連行」否定の根拠になるとする、ネット右翼の間でたびたび使われている論法です。 http://photo.jijisama.org/ianfu.html 「強制」でない事例があったことを示したところで強制による事例があったことへの反駁にはならないのですが、それ以上に興味深いのが次の部分です。 なんと!慰安婦の月給は133万円以上だったのです。 更に1330万円の借金が可能だと書いてあります。 月給○○円という条件で募集がかかっても実際にはあれこれの名目でさっ引かれる、というのがこの種の商売の常道だということ、また前借金による売春の強制は当時でも違法だったことが無視されているのも問題ですが、「13

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    kokogiko 2011/01/12
  • 中支那方面軍軍律、軍罰令、軍律審判規則 - Apeman’s diary

    こちらでのhirasan000さんのコメントから派生した話題に関連して。南京事件について論じるのに北支那方面軍の通牒を引き合いに出すのも妙なはなしだが、「捕虜を除く」という但し書きを以て「捕虜は現地で殺してよいことになっていた」などと主張するのは荒唐無稽もいいところ。大方の否定論者が「捕虜じゃなかった(だから殺してよい)」と言い張ろうとしているときに「捕虜として殺害した」と主張しちゃってるわけだから。 さて『南京戦史資料集I』に収録の中支那方面軍軍律(中方軍令第一号)、中支那方面軍軍罰令(中方軍令第二号)、中支那方面軍軍律審判規則(中方軍令第三号)はそれぞれ次の通り。いずれも37年12月1日付けなので南京陥落時にはすでに有効であった。引用にあたりカタカナをひらがなに直した。 極秘 中方軍令第一号 中支那方面軍軍律左記の通定む 昭和十二年十二月一日 中支那方面軍司令官 松井石根 中支那方面軍

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    kokogiko 2011/01/07
  • 第6師団下士官の手帳、発掘 - Apeman’s diary

    コメント欄でkiriko_mさんからNHKのローカルニュースで報じられたことをご教示いただきましたが、西日新聞でも報じられておりました。 西日新聞 2010年12月8日 「南京事件の従軍手帳入手 熊大教授ら」(魚拓) 1937年の日中戦争で旧日軍が関わった「南京事件」で、熊近代史研究会(会長=小松裕・熊大教授)は7日「中国人捕虜300人、全員を殺した」と解釈できる書き付けがある熊県出身兵の従軍手帳を入手した、と発表した。 (中略) 手帳には、南京が陥落した37年12月13日に戦闘に参加したとの記載があり、翌14日の箇所に「約三百捕領ス 全部殺ス」と書かれていた。会は「前日の戦闘での捕虜300人を第6連隊が受け取り、翌日全員殺害したと考えられ、国際法上、不法な『虐殺』とみなせる」と話した。 南京事件の犠牲者数や、戦争中の不法殺害(虐殺)の定義には諸説あり、立命館大の北村稔教授(

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    kokogiko 2010/12/09
  • なにが一次的な問題か(追記あり) - Apeman’s diary

    MSN産経ニュース 2010.12.5 「朝鮮学校への抗議デモ参加者に飛びかかり妨害 27歳男を逮捕」 デモ参加者に飛びかかり妨害するなどしたとして、警視庁渋谷署は4日、暴行の現行犯で、男(27)を逮捕した。 逮捕容疑は、同日午後3時25分ごろ、東京都渋谷区神南の路上で、デモに参加していた60代の男性に飛びかかり、暴行を加えたとしている。 (後略) 「デモに参加していた60代の男性」って、まるで末端の参加者みたいですが、実際には飛びかかられたのは西村修平のようです(デモを支持するブログに写真もアップロードされていますが、逮捕された男性の顔を鮮明に写した写真もアップロードされているため、ここではソースは示しません)。「主権回復を目指す会」はこのデモに「共闘団体」として名を連ね、「不逞鮮人は地上の楽園に帰れ!」といった主張を掲げているわけですが、こうした事実をオミットするとずいぶん違う印象を受

    なにが一次的な問題か(追記あり) - Apeman’s diary
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    kokogiko 2010/12/07
  • 『故郷はなぜ兵士を殺したか』 - Apeman’s diary

    一ノ瀬俊也、『故郷はなぜ兵士を殺したか』、角川選書 著者の過去の著作に比べると格段に挑発的な書名なのでちょっとびっくり。日露戦争以降の(ただし重点はアジア・太平洋戦争におかれている)銃後における軍事援護活動――出征兵士の家族への援護、戦死者家族への慰藉や援護、出征兵士への慰問、傷痍軍人への援護、戦死者の顕彰等々――が遺家族・留守家族を監視し、出征兵士に“名誉の戦死”を慫慂し、戦死者の死に意味付けをするという機能をいかに果たしたかを明らかにしようとすると同時に、そうした機能がほころびを見せる瞬間をも拾い上げようとする、社会史らしいアプローチ。日中戦争以降の、「大義」を明確にしがたい戦争において戦死への意味付けを強行しようとすると、結局は戦死それ自体に価値があるというロジックに行き着かざるを得ず、それゆえ「故郷」は出征兵士に戦死を要求することになる……とまとめると強引にすぎるだろうか。 全4章

    『故郷はなぜ兵士を殺したか』 - Apeman’s diary
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    kokogiko 2010/10/27
  • 『BC級裁判」を読む』その1 - Apeman’s diary

    半藤一利・秦郁彦・保阪正康・井上亮、『「BC級裁判」を読む』、日経済新聞出版社 21世紀の「進歩的文化人」(by 西尾幹二センセ)トリオと日経新聞の井上亮氏(「富田メモ」報道のひと)によるBC級戦犯裁判論。裁かれた事件の類型ごとに章を分けて(序章と第6章をのぞく)、井上氏の執筆による戦犯裁判の紹介・分析と4人による「討議」を組み合わせた構成(さらに各章に著名な戦犯裁判などを扱った1ページのコラムあり)。以下、引用に当たって発言者名を記していないものは井上氏執筆部分からの引用。とりあげられている裁判については maroon_lance さんが一覧にしておられるのでご参照下さい。 一月ほど前に死刑を免れたA級戦犯の「聴取書綴」に関する日経新聞の報道を紹介したが、この「聴取書綴」と同じく法務省の事業として豊田隈雄・元海軍大佐、井上忠男・元陸軍中佐らが収集した裁判記録や関係者の聴取記録が援用され

    『BC級裁判」を読む』その1 - Apeman’s diary
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    kokogiko 2010/09/19
  • 『「BC級裁判」を読む』その2 - Apeman’s diary

    半藤一利・秦郁彦・保阪正康・井上亮、『「BC級裁判」を読む』、日経済新聞出版社 このが日経から出ている(ベースになった連載も日経紙上)というのは少なからぬ意義をもつと思うし広く読まれることを祈りたいが、他方で異論を唱えたいところももちろんある。 例えばスマラン事件の裁判について、被害者らと被告人らとの証言が対立していることを指摘し、その原因として「この事件は双方にとって不名誉なものであるため」に証言にウソや誇張があるのではないか、と推測している点(156ページ)。被害者自身が当時(あるいはそれ以降も)「不名誉」と考えたということはあり得るし、裁判のオランダ側関係者が「オランダにとっても不名誉」と考えたということだってあり得るだろうが、このようなパースペクティヴの限定なしに「双方にとって不名誉」すなわち被害者にとって「不名誉」な事件であると記述してしまうことは問題だ。被害者に「不名誉だ」

    『「BC級裁判」を読む』その2 - Apeman’s diary
    kokogiko
    kokogiko 2010/09/19
  • 『「BC級裁判」を読む』その3 - Apes! Not Monkeys! はてな別館

    書では過去にこのブログでとりあげた事例もいくつかとりあげられている。例えば「武士道裁判」について、当時の新聞にも「武士道裁判」という表現が「デカデカと」出ていたけれども裁判の争点との関連は薄く、「私は裁判記録を読んで、中村さん〔中村孝也・元帝大教授〕の弁論はどう考えても無理があるなと思いました」(井上、246ページ)、「裁判に提出された中村さんの「武士道の再検討」という弁明書がありますが、これは今読んでも弁護にならないと思いますね」(半藤、同所)と厳しい評価が下されている。また「日の場合は兵隊がどこで死のうが知ったこっちゃないというところがある」のに対して「わたくしはこの事件で一番驚いたのは、「アメリカ政府というのは兵隊に対して当に責任を持っているんだな」ということでした。戦後にアメリカ軍がこの日吉村にわざわざ調べに行くんですよ」(半藤、245ページ)という発言は、日米間の戦争を知る

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    kokogiko 2010/09/19
  • A級戦犯の合祀手続きについて検討会(追記あり) - Apeman’s diary

    毎日jp 2010年9月8日 「原口総務相:A級戦犯の合祀手続き検証へ、省内に検討会」(魚拓) この問題については以前エントリを書いたはず、と思って確認したらちょうど4年前の今日だった。 原口一博総務相は7日、靖国神社にA級戦犯が合祀(ごうし)される過程で国がかかわった行政手続きに問題がなかったかを、国として初めて検証する考えを明らかにした。有識者や政務三役などによる検討会を近く総務省に設置する方針。靖国神社は合祀について「国の事務手続きに従った」と主張しており、過去の行政手続きが不適切だとされた場合、合祀の有効性が問われる可能性もある。 (中略) 原口氏は7日の総務省政務三役会議で、71年の通知について「(合祀事務協力の)行政的な手続きが無効であるとすると、(その後にA級戦犯が)合祀されている史実自体が、歴史の事実と違うことになる」と指摘。「行政手続きに瑕疵(かし)があったとすれば、今ま

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    kokogiko 2010/09/08
  • 「三国人」発言をめぐって - Apeman’s diary

    2000年(平成12年)04月27日参議院外交・防衛委員会でのやりとり。首都圏の防災を考える際に一番の危険因子はほかならぬ都知事閣下であらせられる、という件について。強調は引用者。 ○佐藤道夫君 私からは、日御報告のありました違法射撃事案、それからNECの過大請求事案、これにつきましては報告書をつぶさに検討いたしまして後刻またお尋ねをするということで、日は、何かと先般来問題になっております石原東京都知事の三国人発言をめぐる問題につきまして防衛庁長官の御所見を伺いたいと、こう思っております。 石原知事は、我が国に不法に入国した三国人、外国人というふうに言いかえておりますけれども、これが大震災その他大災害が発生した場合に集団で大変な暴動を起こすおそれがある、大変な騒擾事犯の発生も考えられる、警察の力には限りがある、そこで自衛隊もこのために十分な任務を果たしてもらいたいということを申し述べて

    「三国人」発言をめぐって - Apeman’s diary
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    kokogiko 2010/09/02