「成功神話」の呪縛 東京大大学院情報学環の吉見俊哉教授(本人提供)【時事通信社】 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、東京都に緊急事態宣言が発令される中での開催となった東京五輪が8日、閉幕した。直前まで責任者が次々辞任するなどトラブルが相次いだが、開幕後は一転、メダルラッシュに日本中が沸いた。異例だった東京五輪をどう評価すべきなのか。万博や五輪など戦後日本の国家的イベントを分析してきた東京大大学院情報学環の吉見俊哉教授(社会学)にオンラインで話を聞いた。(時事通信社会部 安田剛史) ◇ ◇ ◇ ―今回の東京五輪をどのように評価されていますか。 1年前に麻生太郎副総理が「呪われた五輪」と言っていましたが、この東京五輪は五輪の歴史の中で見ても、1972年のミュンヘンや76年のモントリオール、80年のモスクワと並び最悪の五輪の一つとして位置付けられることになるでしょう。直前の世論調査では「中