今年の平和記念式典での小泉首相の挨拶も、昨年と同様、中身がなく、文面を読み上げる態度が不真面目そのもので、中継を見守る者を苛立たせる不誠実なものだった。あの態度は意図的なもので、慰霊の日を貶める卑劣な挑発であり、平和を祈念する国民の真摯な感情を逆撫でする悪意の揶揄である。原爆で命を落とした犠牲者を冒涜し、生きながら後遺症に苦しむ被爆者を侮辱し、そして唯一の被爆国である日本国と日本国民の立場を傷つける許すべからざる行為である。私は昨年の記事で小泉首相の原稿棒読みの態度を厳しく批判したが、同じ事を昨年8月7日の中国新聞の社説が書いていた。原稿はいかにも厚生労働省の役人がルーティンワークで書きましたという素っ気ない内容になっている。態度で表出している小泉首相のメッセージは、自分は被爆者の苦痛にも原爆の惨禍にも特に興味関心はなく、為政者として非核三原則を厳守する意思も平和憲法を遵守する思想も持って