漫画誌「週刊少年マガジン」の掲載作品に自身の外観に酷似する人物を描かれて名誉を傷つけられたとして、東京都内の男性が発行元の講談社に440万円の賠償を求めた訴訟の判決が28日、東京地裁であった。松並重雄裁判長は作品中の人物について「読者は架空の人物と分かる」と名誉棄損の成立を否定したが「原告の外観や人物像を侮辱する描写」と述べ、精神的苦痛に対する慰謝料など55万円の支払いを命じた。 判決によると、原告はアパレル企業の代表取締役。「悪羅悪羅(オラオラ)」系と呼ばれるジャンルのファッションリーダーとして知られているという。 問題となったのは同誌09年11月4日号に掲載された「ゼロセン」第47話。雑誌で紹介された原告男性の写真を基に作画された登場人物が、暴力的セリフとともに描かれた。作者は男性に承諾を得ていなかった。その後に発行された単行本では別の特徴を持つ人物に描き直されている。 講談社広