たとえば、「戦場のメリークリスマス」に割かれる分量よりも、「ラストエンペラー」についての分量のほうががかなり多い。YMOについては触れられていて、どういう気持ちで参加したか、については結構語られるが、その後の大ブームについては淡々としている。一方で、細野、高橋との確執についても語られていて、"CUE"についての複雑な思いというのは、知られているけど、教授の目線で素直に語られているあたりはファンにとっては、改めて、おお!という感じかもしれない。 長年のファンとしては、どこかで聞いたり、見たりした話ではあるけど、今一度、自伝という形で読むと、坂本龍一の人生(の一部)がひとつの流れ(フロー)として俯瞰できて大変興味深い。