【ベルリン=宮下日出男】欧州でイスラム教徒女性の全身を覆う衣装をめぐる論議が広がっている。フランスでは「ブルキニ」という水着を禁じる自治体が相次ぎ、ドイツなどでは顔を隠す「ブルカ」の着用禁止を目指す動きが強まった。イスラム過激派テロの頻発を受け、社会の緊張を抑えることなどが目的だが、「差別」との反発も強い。 ブルキニは頭部から足まで肌の露出を最小限にした水着で、「ビキニ」とブルカにちなみ名付けられた。浜辺での着用を禁じたのは7月下旬以降、仏南部を中心に10自治体以上に上るとされ、18日にはトラック突入テロで86人の犠牲者が出た南部ニースも続いた。 仏国内では相次ぐテロでイスラム過激主義への警戒が強い。自治体側はブルキニについて「イデオロギー的挑発」(南部ビルヌーブルベ)などとみなし、「公共秩序に支障をきたす危険がある」(南部カンヌ)として着用禁止を判断した。 背景には厳格な「政教分離