アメリカ大統領選で、なぜ“優勢だったハリス氏”が敗れたのか。 識者とされる人が連日、多くの意見を述べている。 バイデン政権下での激しいインフレや経済政策の失敗が、勝敗を分けたという意見。 移民に寛容な民主党の主張が有権者に刺さらなかった、という趣旨の論評などが、特に目立つだろうか。 そんな中、とても印象深い日経新聞の記事を見かけることがあった。 “ハリス氏自滅、「嫌なヤツ」に賭けた有権者”と題した記事がそれで、最初の大見出しが以下である。 “気高い理念より明日の生活” 要旨、高学歴のリベラルな人たちと民主党が“貴族化”し、労働者階級から嫌われたというような内容だ。 記事の内容や選挙結果について、当否を述べるつもりは一切ない。しかしそもそも論として、この見出しには強い違和感を覚える。 これではまるで、“ハリス氏は人として気高く、正しい理念を説いている”ことが、疑う余地のない前提になっているよ