59歳になったいまも、ビョークのエネルギーが衰えることはない。2024年の秋にパリのポンピドゥー・センターで没入型のサウンド・インスタレーションの展示をし、11月には5年間に及んだ「コーニュコピア」ツアーを記録した書籍も刊行した。 そんな彼女が、「嫌い」だと断言する最初のアルバム『ビョーク』から「最悪」な結果を迎えたという映画『ダンサー・イン・ザ・ダーク』、そしていま注力しているテクノロジーと環境問題についてまで、幅広くフランス紙に語った。 ──あなたがここまでたどりつけたのは、どうしてだと思いますか? 14歳のとき、レイキャビクのとあるレコード店の扉を開けたからですね。その店は、ミュージシャンやアーティスト、作家、パフォーマーのたまり場で、私はそこのコミュニティに入れたのです。そこで私は最年少でしたが、ヒエラルキーはありませんでした。 店の床掃除、コンサートの運営の手伝い、ポスターの印刷
