数年前にイギリスのバイオテクノロジー企業、Oxitec社の研究者らが開発した、若いうちに死ぬようプログラムした遺伝子組み換え蚊をブラジルで解き放ったところ、ブラジルでは危険な種類の蚊であるネッタイシマカの数が、導入されていない地域と比べて85%も減少したそうだ。 この種類の蚊は、マラリアやデング熱といった感染症を媒介する。WHO(世界保健機構)によれば、2010年にマラリアによって65万5,000人、デング熱によって約2万人もの死者を出した。 これまでにもウイルスを伝染させることのできない遺伝子組み換え蚊を作る試みは行われてきたが、今回のブラジルでの実験により、その効果が実証されたこととなる。 Oxitec社の遺伝子組み換え蚊の仕組みはこうだ。限定された方法でしか繁殖できないオスの蚊を作り出し、幼虫の状態から成長するためには、テトラサイクリン系のある抗生物質を必要とする。 オスは、