「芸術」あるいは「芸術作品」についての定義付けは、さまざまにあると思うが、ひとつの考え方として、視覚や聴覚といった知覚器官を通じて人が快い(また時には不快であるという認識も含め)と意識する、ある表現媒体や行為などを総称するもの、と定義することが可能だろう。 斉田一樹+三原聡一郎《moids∞》2018 [撮影:三原聡一郎] 私はここで、唯脳論的に話を進めようといった意図を持つものでは無い。ただ、今回ここで紹介する作品について、その作者と話を交わしているなかで、その作品を生み出すアイディアの起点としてサウンド・アートに分類されている作品があり、その作品自体は電子音から生み出されるノイズ系に分類される音を発生する装置に過ぎず、それを芸術と認識するのは周囲にいる人々、そしてそれらの人々が作り出したアート界であったと思われる、というような話をした。また、そのノイズ発生装置を作った本人にとっては、ア